チャットコマース

2022年、日本でも「チャットコマース®」の波がついに到来。市場成長の背景と最新トレンドを紹介。

チャットコマース®はジールスが商標登録している、チャットボットを活用したコマース体験の向上を意味するコンセプトです。

まだ僕がヒューマンキャピタルテクノロジー社の取締役だった頃、定期的にジールス代表の清水と現COOの遠藤と食事に言っていまして、その際に清水が

海外ではカンバセーショナルマーケティングって言われてるらしんですけど、日本だと「カンバセーショナル」だとよくわからないと思うんで、僕らは日本人が慣れ親しんだ「チャット」って言葉を使って、「チャットコマース®」って言葉で行こうと思ってます!(ドヤ

とノンアルコールながら目をギラつかせて話していたことを昨日のように覚えています。

この「チャットコマース®」市場が今、熱いです。2021年台に入ってから世界的にも多くの投資を集めているカテゴリに成長し、2021年後半からは日本でも競合の参入が相次ぎました。

今回のエントリではジールスが先駆者として市場を切り開き、今年のデジタルマーケティングにおける大きなトレンドにもなるであろう「チャットコマース®」について整理したいと思います。

チャットコマース®とは?

まずはチャットコマース®の定義からおさらいしていきたいと思います。チャットコマース®とは、

チャットコマース(Chat-Commerce)とは、LINEやFacebookメッセンジャー等のチャットインターフェースを持つプラットフォームにチャットボットを搭載することで、きめ細やかな購買体験上の企業と生活者の対話実現し、商品購入や申し込みをサポートするサービス。

購入や契約に際しての不安や疑問を払拭することが可能で、企業にとっても(納得してくれた良質な顧客を獲得できる)生活者にとっても(納得した購入・契約ができる)メリットが大きい。

チャットコマース®は、株式会社ジールスの登録商標です。

狭義では(あるいは現場では)「運用型チャットボットマーケティング」とも解釈されているもので、今までCS(カスタマーサポート領域)において活用されていたチャットボットを、より接客的な文脈(マーケティングやセールス)で活用しようというコンセプトです。

後に説明しますが、3rd Party Cookieやアフィリエイト施策からの脱却などからいわゆる「デジタル獲得系施策」のポートフォリオに大きな変化が起こっており、その予算のアロケーション先として注目されているのがチャットコマース®です。

世界で注目されるC-Commerce

まず世界の目を転じて見ましょう。チャットコマース®は世界的にはC-CommerceConversational Marketingといった言葉で表現される概念で、2021年に入ってから非常に注目を集めるマーケットになっています。

昨年6月にはBCG(ボストンコンサルティンググループ)がこのマーケットに関する詳細な調査レポートを公開しており、本レポートによると2021年のチャットコマースの市場規模は$35B、2025年までに$130B、10兆円以上の市場規模にまで拡大すると予想されています。

こうしたマーケットに対して世界中から可能性のあるスタートアップが参入しています。大きなところだとGupshupはTiger Globalなどから$240M超の調達を実行していますし、メキシコのスタートアップYaloもBCGから約50億円ほどの資金調達を行い、大きくこのマーケットに参入しています。

ほかにもLIVE PERSON社やManyChatDriftなど多くのスタートアップが参入しており、10年ほど前のソーシャルメディアマーケティング黎明期のような活況具合(いや、それ以上)だと肌で感じています。(当時もInvolverやVitrueなんて会社が大型の資金調達をしていましたよね)。

日本でも市場参入が加速するチャットコマース®

日本でもこの流れが半年遅れくらいで来ています。もともとチャットボットビルダーを提供してLINEなどのプラットフォームにチャットボットを導入することをサポートするSaaS的なベンダーは複数社日本にも存在していました。

しかしながら、チャットボットの運用を全て巻き取ってマーケティング成果で返していくジールスライクなビジネスモデルのプレイヤーはまさにこの半年で劇的に増えてきたと思います。参入プレイヤーもスタートアップからメガベンチャーまで多岐にわたっており、マーケットが次のフェーズに入ったことを実感しています。

ジールスは2018年からチャットコマース®というコンセプトを打ち立て、着実かつ急速にこのマーケットを開拓してきましたが、2022年は一気にプレイヤーも増え、日本でも急成長期を迎える予感がしています。

日本でチャットコマース®市場が成長する背景

ジールスも2021年度は売上を倍化することに成功しており、急速に成長を遂げているチャットコマース®市場ですが、大きな要因は3rd Party Cookieとそれに関連した広告単価の高騰と、アフィリエイト施策への依存体質の脱却という2つの文脈があると思っています。

脱クッキーとリタゲの代替手段を求めるニーズ

前者の問題は「リタゲの死」という強烈なキーワードで語られることが多いと思います。脱クッキーの流れは活発化し、急激な「死」ではなくともじわじわと広告担当者の実感に変わってきているタイミングだと思います。そしてそのリターゲティング広告の代替を求めるニーズにきちんと答えられている手法が、チャットコマース®なのです。

上記の記事は約2年前のものになりますが、我々ジールスは早くからこの問題を捉え、チャットコマース®にその解決の可能性見出し、マーケティング業界に訴えてきました。詳細は記事に譲りますが、まさにここでCOO遠藤が語っていることが2年の時を経て現実のものになってきていると思います。

加えてしっかりとチャットコマース®がリターゲティング広告の代替手段になり得るところまで手法としての成熟を迎えていると思います。

アフィリエイター依存からの脱却ニーズ

もう人の課題はアフィリエイターに関する業界課題です。アフィリエイトの仕組み自体は何も悪いものではありませんが、一部のアフィリエイト運用者による誇大広告や景表法・薬機法違反については今後厳しい対応が迫られてきます。

インターネットの発展は、ある種のグレーゾーンから起こる場合も多々あり、一概に否定できるものではありませんが、明らかにアフィリエイト領域は成長期から成熟期に入り、様々なルールが整備される段階に来ていると考えています。

今後こうした第三者であるアフィリエイターによる表現についても「広告主責任」とするべく消費者庁の検討は進み、その結果デジタル獲得系施策におけるアフィリエイトの施策シェアは下がっていくものと想定されます。

こうした流れからも、きちんとクリエイティブ品質を担保することができ、かつアフィリエイトのような成果報酬で課金が可能なチャットコマース®に注目が集まっているのです。

Zeals(ジールス)のチャットコマース®が強い理由

こうして盛り上がりを見せるチャットコマース®市場ですが、この市場の先駆者としてジールスの強みについても最後触れておきたいと思います。

ジールスは現在300人を超える組織に成長しており、組織の大半が開発組織チャットボットをデザインして運用まで行うコミュニケーションデザイナー組織で構成されています。すなわち「開発力」「運用力」に強烈な強みがある会社です。

ジールスの開発組織

上述したとおり、チャットコマース®(C-Commerce)市場はドメスティックな市場ではなく、グローバルで成長を遂げているマーケットです。したがってプロダクトレベルも世界標準を目指さなければなりません

SalesForceさんのようにいずれ黒船的なプレイヤーも日本に参入してくると考えているので、我々も世界目線で開発を進めています。

具体的には開発チームの国籍は、26の国と地域にまで拡大しており(当然開発チームの共通言語は英語)、グローバルな開発体制になっております。プロダクトの開発だけではなく、チャットボットの根幹をなすテーマに対する研究開発投資も積極的に行っております(これが中長期的に大きな強みになると思っている)。

日本最大級のチャットボットデザイン&運用組織

続いて「運用力」ですが、これは古巣のデジタルマーケティング業界にヒントを得ています。

チャットボットサービス、と聞くと「チャットボットビルダー」のような、「チャットボットを作成できる管理画面をSaaS的に提供するサービス」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?

僕も前職でHubspotなどのツールを使って、ウェブチャットでCS対応をしていたのですが、「めちゃくちゃうまく活用できていたか?」と問われると、「まぁ必要最低限くらいには・・・」と答えざるを得ない活用度合いだったとは思います。

ツールは提供されているが、担当者が使いこなせていない。これはデジタルマーケティング、とりわけ運用広告でも同様のことが置きていたと思っており、Googleアドワーズの管理画面を代理店が人的リソースを掛けて運用することにより飛躍的に成長したと認識しています。

これと同じように、「チャットボットを運用広告的に捉えればビジネスが伸びるのではないか?」「チャットボットの管理画面を提供するだけでなく、ボットデザイン〜運用までを巻き取ることで運用型広告化できるのではないか?」と捉え、この組織に昨年調達した資金の多くを投資しました。

リスティング広告が初期のアカウント構造の設計が肝どころであるように、チャットボットにおいても初期会話の設計は非常に重要です(でも多くの企業が適当に会話シナリオを作ってしまっている)。そしてまた同じように、取得できるあらゆる数値をもとに会話自体を改善する必要もあります。

手間はかかりますが、手間をかければかけるほど成長するのがチャットボットであるということにどの企業よりも早くたどり着いたジールスは、このコミュニケーションデザイン組織に今後も投資し続けていきます。

チャットコマース®まとめ

以上、急速に発展しているチャットコマース®市場について、その定義と背景についてまとめさせてもらいました。デジタル広告の急成長期(2006年〜)を経験した著者の感覚としても、10年に一回くる大きな波を本マーケットに感じています。

そしてまた、チャットコマース®の可能性はリターゲティング広告の代替手段にとどまるところではないと思っています。GTP-3のような自然言語処理技術は世界的に大きな進歩を遂げておりますし、メタバースのような新しいインターフェース環境も続々登場しており、チャットボットの可能性は無限に広がっていると思ってます(メタバース空間においてチャットボットを搭載したアバターが果たす役割・・・とか考えると寝付けなくなります笑)。

もしこのマーケットに可能性を感じ、ぜひジールスで働いてみたい!と思って頂いた方は、ぜひ直接僕までご連絡ください。カジュアルに面談させて頂きます!