Facebookの「思い出」機能がかなり好きで、毎朝確認するようにしているのですが(結構面白い振り返りの機会になる)、ふとビズリーチ創業者の(現ビジョナル株式会社代表取締役社長)の南さんの投稿が目に入ってきました(謎に無言シェアしていたみたい)。

リクルートの採用8ヶ条とは?
僕がこのポリシーに一番最初に触れたのは、人事をやっているときに読んだこちらの本「「どこでも通用する人」に変わるリクルートの口ぐせ」を読んだ時だったと思います(確か江副さんが残された言葉だったはず)。
曰く、
- 自分より優秀な奴を採用しろ
- リクルートに入りたいヤツではなく、リクルートとして採りたいヤツを採れ
- 熱くリクルートについて語れ
- 本音の仕事観を語れ
- 入社動機はドラマチックに語れ
- 自分一人ではなく周囲を巻き込め
- 大胆に口説け
- 採用は営業だ
この8つの項目で構成されるポリシーはMECEではなく、一部賛同できない部分も個人的にはあったりもするのですが、一方でスタートアップの採用においても示唆に富むものになっていると思います。
とりわけ重要だと思う項目をピックアップ、僕なりに解釈していきたいと思います。
①自分より優秀な奴を採用しろ
はっきり言って、この1つ目が最も難しいし、徹底することが困難な項目だと思います。特にスタートアップで面接を担当する方はその会社のコアメンバーであり、その人物より常に優秀な人を採用していくというのは、スローガンとしては理解できたとしてもなかなか実行するのは難しいのではないでしょうか。
また大手から転職してきた人が陥りがちなマインドとして、「自分よりも優秀な人を採用したら自分が危ない」という感覚を持つ方も一定以上いると思っていて、このあたりの心理的なコンフリクトも人事をやっていた人間としてはこのポリシーを遂行する上での大きなハードルになっていると思います(ちなみに正直に言えば、僕自身もそうした感情が0かといえば嘘になる)。
だからこそ、このポリシーを地で行ける会社は強いと思います。他ができないことができるわけですから。そういう意味で、とっても重要なポリシーなんですが、「自分より優秀」という言葉がスタートアップに来る人、あるいは自分よりも若い人に対して当てはめづらい事があるのも事実。
そうした際に僕が採用している言葉は、本田宗一郎氏の言葉です。
どうだね、君が手に負えないと思う者だけ、採用してみては。ー本田宗一郎
特に新卒採用の面接の時は、この視点を取り入れるようにしています。
②リクルートに入りたいヤツではなく、リクルートとして採りたいヤツを採れ
そのスタートアップ企業に入りたい、という候補者が増えてきたら、(それは採用ブランドが確立されたということでもあり努力が報われたということでもあるんだけど)危険信号だと思っています。ことスタートアップにおいては。
これは感覚論になってしまうのですが、急成長するスタートアップでの働き方=リスクテイク、ハードワークなどと、人気という概念がどうやってもやはり折り合いがつかないと思っており、人気が出てきてしまう=リスクテイクやハードワークができる人材が減ってしまう事に繋がりやすいと思うのです。
本来HR領域出身の僕がハードワークを推奨するようなことを書くのはいささか問題があるとも思うのですが、リソースも歴史も信用もないスタートアップが勝ち残れる唯一の方法は、定めたミッションに集中してとにかく早く量を働くことだと思います(世界の起業家を見ていても)。
そういう意味でのスタートアップカルチャーを維持するためにも、採用ブランドは人気を集めるためにやるのではなく、自分たちのポジショニングを明確にする=採りたいヤツを採れるようになることだと思うのです。
⑤入社動機はドラマチックに語れ
ドラマチックに語るためにもドラマチックに入社しよう、とも思うのですが、自分自身が入社した動機を恥ずかしげもなく語ることができるでしょうか?
その時の自身の悩みや葛藤、ぶっちゃけここが苦しかった、みたいなポイントは隠さずむしろ公開していったほうが、心から共感してくれる候補者と出会うことができる可能性を高めてくれると思います。僕がジールスに入社して1年半、採用の文脈でしてきたことはこれが一番大きいかもしれません。
これは採用力が強化される以上に、自身のモチベーション、初心を保つことにもかなりの影響をもたらしてくれます。こうしたアプローチができるようになるためにも、
- 入社自体をドラマチックに。
- 前後の悩みや葛藤はすべて記録につけておく。
この2つは徹底しておくと良いと思います。
まとめ
リクルートやサイバーエージェントなど、採用が異常に強い会社のやっていることは「まぁあの会社だからできることだよね」と半ばあきらめてしまうことが多いのですが、やはり学ぶべきことは多々あると思います。
ぜひリクルートの採用8ヶ条からも積極的に学び、自社の採用に生かしていきましょう。